大学の就活生向けセミナーから見る就職支援課のあり方
先日、大学の図書館で
17卒の企業セミナーが初めて行われていました。
去年の自分が懐かしくなると同時に、
今だからこそ思うことが
たくさんありました。
■初めてのセミナーだからこそ
今回のセミナーには4社の大手企業が来ていました。
メーカー、金融、商社を中心に
日本を代表する大手企業ばかりでした。
企業のプレゼンは素晴らしかったのですが、
聞き耳を立てる自分としては、
なぜかもの足りないものでした。
それは、
自分の企業のいいところばかりを
言い続けていたプレゼンだったからです。
別に悪いことではないと思います。
営業ならば、
業界の安定性、自社のビジネスモデルや戦略には
自信を持って語ってもいいと思います。
しかし、
ここは就活のセミナーです。
まだ社会にも出たことのない赤ん坊に対して、
自分たちのエゴを押し通すのは
ある一種の洗脳だとも感じ取れました。
■支援課のなすべきこと
かといっても、
企業のプレゼンは仕方ありません。
企業側も自社のいいところを
webではなく、
生の声でいち早く伝えたいからこそ、
このようにわざわざ足を運んでいるのです。
となると、
大学の支援課のセレクトに問題があるのではないか
と思います。
大学に癒着のある大企業だけはなく、
地元を支える中小企業
設立間もない急成長ベンチャー
はたまた個人企業家など
社会で輝く大人は大企業以外にもたくさんいます。
就活のスタートの地点だからこそ、
たくさんの選択肢を提供できるように、
支援課はサポートすることも大事なはずです。
■支援課の実情
しかしながら、
国公立大学の就職支援課はなんとも辛いものです。
まず、予算。
大学内で最も多くの予算があてられるのは
入試課です。
一方の就職支援課は
その10分の1以下の予算しか与えられないのです。
さすがにこれでは、
予算が足りないのはもちろん
学内でも権力を持つことはできません。
こうしたいと職員が思っても、
実際に行動に移せるだけの
予算も人員もないのが現実です。
また、日本の大手志向もネックです。
一部の学生はそんなことない主張するものの
やはり、学生の親としては
自分の子がいい企業に行く将来を想像するものです。
その期待に応えようと、
支援課も大手の企業を紹介することになってしまいます。
■入ってくる人ではなく、出ていく人に優しい大学に
このような状況下で、
学生に言えるのは、
自分の考えを持って、
自分のやり方で就職活動をしてくれ
ということです。
これは当たり前なのですが、
やはり大学が学生に与える影響は大きいです。
挙げればきりがないですが、
大学の趣向がその学生の将来のすべてを
決めてしまうこともあるということは
胸に刻んでほしいです。
そして、大学という教育機関である以上、
入ってきた学生が
成長し、よりよいキャリア歩んでもらうこと
これがゴールだと思います。
そうなると、
入ってくる入試課の予算の10分の1しかない
就職支援課に充てるべき予算は
もっと多くてもよいのではないでしょうか。