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がつきのzaregoto

九州・大分の16卒の就活生が就活のこと、大学のこと、働くこと、などなどとりとめのないことを綴っていきます。

新入社員のざれごと⑨人間のモチベーションに最も大切なのは危機感ではなく○○である!

新入社員のざれごと ユニクロ

「人間に最も必要なのは危機感である」

 

これは私が大切にしている言葉の1つです。

大学時代にユニクロでアルバイトしていた時に、

ふとした時に読んだ店長用のマニュアルの一節でした。

 

組織において結果を残すためには、

メンバー全員がモチベーションを発揮できなければなりません。

 

集団意識を大切にする日本人にとっては、

「危機感」というフレーズは組織を動かすに際に、

最も適切な言葉なのかもしれません。

 

この言葉の2つの意味

私は自覚していませんでしたが、リーダータイプの人間でした。

組織にいるときに全体を俯瞰し、

方向性を定め、みんなを鼓舞することは、

その度合いはともかく

なんとなくですがやっていました。

 

改めて考えると、

メンバーのやる気・モチベーションを上げるには

やらなければならないという危機感は重要だったなと感じます。

 

ですが、

この言葉にはカードの表裏のように、

相反する二つに意味が隠されています。

 

1つは、「危機感があれば、やる」ことです。

これは正もしくは表の意味です。

今やらないといけないことがあるから、やる

極めて当たり前のことです。

 

もう1つは、「危機感がなければ、やらない」ことです。

これこそ負もしくは裏の意味です。

別に今やらなくてもいいし、誰からも言われていないから

今やらなくてもいいやと考えることです。

 

危機感という言葉は、

当事者本人が自発させるものですが、

そのきっかけとなるものは、

多くが外部的要因から発せられるものでしょう。

他人や周囲の環境を抜きに語ることはできません。

 

危機感を植え付けた結果

危機感が大切だと言ったのは、柳井社長本人です。

もし他人のアイデアだったとしても、

柳井社長が最終的にマニュアルのゴーサインを出しているので、

責任も彼にあります。

 

現在のユニクロは厳しい経営を強いられています。

国内はもちろんのこと、海外でも苦戦する地域は多いです。

 

庶民派感覚に戻すと、

今のユニクロの商品をどれほどの人が好んで買いに行っているかと

考えればわかりやすいでしょう。

 

消費税の増加や原材料の高騰、ブランド化により、

商品の価格自体が上がりました。

しかし、ユニクロの強みは低価格・高品質です。

厳しいことを言うと、

それができない状態では用済みです。

 

価格もさほど安くない。

ヒートテックなどの圧倒的イノベーションも近年ではない。

顧客は明らかにもう飽きています。

トップは危機感という言葉で現場を鼓舞しますが、

実際のところはうまくいきません。

これにもはっきりとした理由があります。

 

矛盾したサイクル

ユニクロが考える最大の目標は、

「2020年、グループ売上5兆円」です。

他の様々な目標はあるものの、

それらはこの目標を達成するための前提条件に過ぎません。

 

しかし、4年間アルバイトさせて頂いて、

ユニクロで働く様々な人と関わって、

はっきり言えることは、

「売上が5兆円いかないときに、本気で悔しがれる人が何人いるか」

ということです。

 

売上がいかないからこう変えたいという意見は出るもの、

だからといって生活が脅かされることはない。

 

組織が大きすぎるがゆえに、

トップの声はあまりにも霞んでしまうものなのです。

こればかりは、

やれと言ってもやってくれるものではありません。

 

ましてや、

ユニクロの組織にはもう1つ致命的な欠陥があります。

 

それは上昇志向を促し過ぎていることです。

キャリアアップのステージは優しいものではないものの、

用意はされています。

海外出店のためにも、国内からどんどん優秀な人材を

輩出しなければならない現状も理解できます。

 

ですが、

これで売上5兆円いけるのでしょうか。

個人があまりにも組織への関与が薄すぎるのです。

端的に言うと、

「店舗として目標はいかなかったけど、

個人としては目標達成できたからいいや」

が当たり前になっているのです。

 

人間は時に組織よりも個人を優先します。

個人も組織も共倒れするならば、

個人が生き残る方法を考えるでしょう。

それこそ危機感が発揮されるタイミングではないでしょうか。

 

ほんの小さな人間の心理かもしれませんが、

組織の上に立つと、

それらはとてつもなく大きな負荷になっているのです。

 

危機感を凌駕するもの

危機感という言葉をもう少し噛み砕きます。

 

マズローの欲求階級説で考えると、

危機感で実現できるものは低次元になってきます。

「生理」「安全」「所属」

これらは「~ではなければならない」という

義務感の上に成り立ちます。

 

危機感も同様です。

他者・周囲と比べて、自分は「~でなければならない」

と考えることが危機感を覚え、行動することです。

 

ですが、それだけではその上は行けません。

 

それが、「怒り」なのです。

 

怒りも他者・周囲から一方的な蔑みを受け発する感情です。

それでも、怒りを解消するためには、

喜びといった新たな感情が必要になります。

 

そのためには、

「~でなければならない」というより、

「~でありたい」という自らをより肯定的に考える

スタンスが必要になってきます。

 

感情は表裏一体、カードの1枚の裏表

怒りは憎しみという言葉でも言い換えられます。

そして、憎しみの反対語は「愛」です。

 

人間誰しもが欲しがるもの、

愛されることを嫌う人間はいません。

その一方で、愛することも止みません。

 

愛も憎しみも、誰かのことを思い、

自らに起こる感情です。

 

ほんのちょっとしたことで、愛と憎しみは入れ替わります。

ある人を愛していても、

その人から嫌われれば、感情は憎しみへと変わります。

受けた影響、ベクトルの違いで、

この2つは全く逆の作用をもたらすのです。

 

正直、危機感でしか生きていけないのは、

組織に頼る弱い心です。

誰かがやってくれるという自立心を損ねかねません。

 

自らの力で這い上がる方が、

何倍も大きな力を発揮するはずです。

 

少なくとも、

ユニクロではそういう人を集めていると思います。

それを危機感という脆弱な言葉で纏めるのは、

もったいないと思います。